世界一のおもてなし
日本ではあんまり聞かれないが、”メートル・ドテル”という職業に就く宮崎さんの本。
宮崎辰さんについて
料理の世界を目指し、辻調理専門学校(国立→フランス)に入る。
専門学校卒業後、いくつかのレストラン、ホテル(本の中で酷評していたホテルはグランドハイアットみたい)を経て、かの有名な三ツ星レストラン”ガストロノミー ジョエル ロブション”に入る。その後、世界一のサービスマンを決めるコンクールで優勝。去年、レストランを退社し、サービスマン育成のために、色々とやっているみたい。
本には、サービスの本質など諸々書いてあるが、もっとも驚いたのは、コンクールの内容。
2012年、宮崎さんが優勝したときの大会では、
大前提として、使用言語は英語orフランス語(←母国語でない方)。語学力はマスト。
・前菜
ゲストの好みを聞きながら、前菜のソース作り、盛り付けを行う。
・魚料理
サーモンのタルタルのサーモンの切り身の皮を剥いで、角に切り、味付けをして、盛り付けて、ゲストに提供。
・肉料理
魚料理同様、肉を切り分け、ソースのサービスも行い、ゲストに提供。
・デザート
フルーツ(パインナップル)のカッティングにフランベ。
・コーヒー
アイリッシュコーヒーを作る。
・カクテル
ショートとロングのカクテルを5種類の中からくじで引いたカクテルを作る。
・オーダーテイク
審査直前にメニューが渡され、15分で内容を覚えなければならない。そして、実際に現場のようにオーダーテイクする。メニューの内容はもちろん、使われる食材、調理方法などなども細かく聞かれる。
・ワイン/アルコールの試飲
抽選で引いたものをブラインドで試飲し、外国語でコメント。
・テーブルセッティング
抽選でひいたテーマに沿ってテーブルをセッティングし、かつ、そのテーマに沿ったメニューも考案する。
最後には筆記試験もあるが、考えただけでもゾッとするような内容。
日本ではなじみはないが、フランスでは”メートル・ドテル”は”シェフ”と同位置に並ぶぐらいに尊敬されているとのこと。恐れ入りました。